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  • Jan. 5, 2017
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志村立美と川瀬巴水

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日本美術史の中で個人的なツートップとなっている二人の日本画家。志村立美の人物画(美人画)と川瀬巴水の風景画(版画)は二人とも近現代の画家たちではあるが、それ故に今のこのデジタル時代にもまだまだ馴染みやすいのかもしれない。こんなことを言っては本人はもとよりその筋の大家に大変失礼ではあるが、極めて精緻で写実的にもかかわらずある種良質なイラストレーションのようなそんな印象も受けるのだ。

志村立美は1907年生まれ、僕が小学校に入学する1980年までご存命だった。江戸時代から続く美人画というと歌舞伎絵のような鋭角的な輪郭が特徴のやや堅苦しいデフォルメを思うが近現代になってからの美人画の流れはまさに美人画といって差し支えないような写実的な丸みに変化した。素人のニワカ知識なので的外れな指摘かもしれないが、特に鏑木清方から志村立美へのこの美人画の系譜は正直、今現代の人物のイラストレーションに連綿と受け継がれているように思える。

川瀬巴水は1883年生まれ、新版画を確立した版画界の救世主。こちらも鏑木清方に馴染み深い方でそう考えると自分の日本画の好みのルーツは鏑木清方大先生に繋がるのかなとも思う。川瀬巴水の版画は葛飾北斎らの江戸浮世絵版画と違ってかなり写実的だ。特に光と影の切り取り方、デフォルメの仕方などがまさにイラレで作った現代アートだと言っても通用するくらいのモダンさがあり、一方で個人的な好みのポイントとしてはグラデーションの掛け方にあると感じている。

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  • Jan. 5, 2017
  • © Suzuki Takeya